電卓の M+ って何だろうと思ったことはありませんか?
電卓には数値を記憶しておくメモリーが入っています。
メモリーの使い方を覚えると、電卓の使い方が劇的に変わりますのでとても便利です!
この記事では、メモリーを使いこなすための方法をわかりやすく解説します。
独立メモリーM+ M- MR
パソコンのコピー&ペーストは、ほとんどの人が使ったことがあるでしょう。
電卓では、M+ がコピー、MR が貼り付けに少し似ています。
M+ は押すたびにメモリーに数値を加算していく点が異なります。
| M+ | メモリーの数値に加える |
| M- | メモリーの数値から減らす |
| MC ・ CM | メモリーの値を0にする(メモリークリア) |
| MRC ・ RC.M | 一度押すと MR もう一度押すと MC の働きになる |
ここから、メモリー機能を使って三つの使い方を紹介します。
集計
一つ目は小計を確認しながら合計を求めたい場合です。
現在ではパソコンのエクセル等を使った方が楽ですので、使うケースは昔に比べると少なくなっています。
しかし、ちょっとした集計に使うときは便利な機能です。
次のような表があった場合
| 単価 | 数量 | 小 計 |
| 10 | 2 | 20 |
| 20 | 3 | 60 |
| 5 | 返品2 | -10 |
| 10 | 3 | 30 |
| 20 | 5 | 100 |
| 合計 | 200 |

電卓のメモリーを使って表1を計算すると、メモリーは目に見えませんが次のようになります。
| 操 作 | 表 示 | メモリー |
| AC MC | 0 | 0 |
| 10 × 2 M+ | 20 | 20 |
| 20 × 3 M+ | 60 | 80 |
| 5 × 2 M- | 10 | 70 |
| 10 × 3 M+ | 30 | 100 |
| 20 × 5 M+ | 100 | 200 |
| MR | 200 | 200 |
一時メモリーとして

二つ目は、メモ代わりに使う方法です。
パソコンのコピペのように使えます。
例えば
損益分岐点 = 固定費 ÷ (1 ー 変動費 ÷ 売上)
売上 1,000 変動費 400 固定費 300 のとき
損益分岐点の計算は次のようになります。
| 操 作 | 表示 | メモリー |
| AC MC | 0 | 0 |
| 400 ÷ 1000 M+ | 0.4 | 0.4 |
| 1 – MR = | 0.6 | 0.4 |
| MC | 0.6 | 0 |
| M+ | 0.6 | 0.6 |
| 300 ÷ MR = | 500 | 0.6 |
都度、MC でメモリーをクリアすることに気をつけなければなりませんが、一時メモリーとして利用することができます。
メモをする手間が省けますので便利です。
MRC・RC.M
MRC や RC.M がある電卓では次のようになります。
| 操 作 | 表示 | メモリー |
| AC MRC | 0 | 0 |
| 400 ÷ 1000 M+ | 0.4 | 0.4 |
| 1 – MRC MRC = | 0.6 | 0 |
| M+ | 0.6 | 0.6 |
| 300 ÷ MRC = | 500 | 0.6 |
MC独立機を使っていると MRC や RC.M の使いこなしを難しく感じます。
電卓を購入する際は、できればMC独立機の購入をお薦めします。
検算
三つ目が検算です。(※ 緑文字 は、電卓の表示画面)
1183 + 1320 + 728 + 2124 + 1800 M+ 7,155
【検算】
1183 + 1320 + 728 + 2124 + 1800 – MR = 0
0 にならなければ入力ミスです。
MR で再度数字を確認できます。
GT(グランドトータル)メモリー
小計と総合計を出すのでしたら GT を使う方法もあります。
ふつうの計算のように = を使うだけで GTメモリー に数値が加算されます。
GTを使って表1を計算してみます。
| 操 作 | 表 示 | G T |
| AC | 0 | 0 |
| 10 × 2 = | 20 | 20 |
| 20 × 3 = | 60 | 80 |
| 5 × 2 +/- = | -10 | 70 |
| 10 × 3 = | 30 | 100 |
| 20 × 5 = | 00 | 200 |
| GT | 200 | 200 |
普通の計算通りに = を押すだけで集計ができます。
また、シャープでは GT を2度押しするとGTメモリーがクリアされるので、さきほどの損益分岐点は GT を使っても計算できます。
使用機:シャープ EL-G35(※ 緑文字 は、電卓の表示画面)
CA 400 ÷ 1000 = 1 – GT GT = 300 ÷ GT = 500

電卓検定などで小計と合計に加え構成比を算出する問題が出されたときは、独立メモリーとGTメモリーの合わせ技が必要になりますね。

