こんにちは「あすわた」です。
自動芯出し機構のシャープペン。
便利ですよね。種類も増えています。
その中でも、オレンズネロは今なお根強いファンを持つシャープペンです。
芯が折れないオレンズシステムに自動芯出し機構を加えたオレンズネロが生まれたのは2017年。
その後、自動芯出し機構を備えたシャープペンシルは100円ショップにも登場し、三菱はクルトガダイブを世に送り出しています。
しかし、クルトガ最高峰といわれるクルトガダイブは市場に出ておらず、購入するのが困難。
販売店が行う抽選で当たるか、定価の倍以上を出して購入するしかない状況が続いています。
一方、オレンズネロも一時は売り切れが続出していましたが、2024年現在では落ち着きを取り戻し、0.2mm以外は店頭に並べられております。
(追記:本日2024/6/4 マツコの知らない世界「中身が超進化!文房具の世界」では入手困難との放送がありました。)
購入のしやすさを考えると、オレンズネロに軍配があがります。
ここでは、オレンズネロの0.5mm、0.3mm、0.2mmの芯径を他のシャープペンと比較しながら、その魅力と短所について見ていきます。

オレンズネロの購入を考えている方の参考になれば嬉しいです。
では、最初に使ってみた感想を。
- 芯がなくなるまでノック不要
- 細芯でも絶対折れない
- 筆記に適した絶妙なバランス
- 握りやすいグリップ
- スタイリッシュなデザインとカラー
- 寝かせて書くと筆記できない
- 使い手を選ぶ筆記
- 高いお値段
それでは、詳しくレビューしてみます。
デザイン
オレンズネロを手に持つと、細身のボディーに似合わない重量が手に伝わります。
12角形一体軸のボディーは、特殊素材で作られており堅牢な感じを受けます。
グリップの部分は9mm。

ローレットのような細い溝が水平に配置されておりますが、握りやすく筆圧をかけても痛みを感じたことはありません。

カラーはマットブラックで統一されており、2019年には限定色としてブルーブラックとガンメタルが発売されました。
私もこのスタイリッシュなデザインが好きです。

0.5mm、0.3mm、0.2mmの違いはクリップ側の識別文字をみないとわからないデザインになっています。
0.5mm、0.3mmが白文字、0.2mmが金文字になっています。

筆記性能
オレンズネロの特筆すべき利点は
なんといっても次の三つです。
- 自動芯出し機構
- 芯が折れない
- ボディバランス
オレンズシステムではシャープ芯をガイドパイプで保護しているため、0.2mmという極細芯でも折れることがありません。
実はパイプで芯を守るという技術は、スライドパイプ機構として昭和の時代からあります。
当時のスライドパイプ式シャープペンは、それこそパイプで文字を書いているような感覚でした。
一日使っただけで使わなくなってしまったことを思い出します。
オレンズネロのパイプの先端は丸くなっているため、昭和のスライドパイプのような書き心地の悪さはありません。
私は試筆をせずに。。。

というより、当時は品薄で店頭には置いてありませんでした。
宅急便で届いたオレンズネロを「おそるおそる」書き心地がひどくはないのかと書きはじめました。
昭和のスライドパイプをイメージしていましたので、これほど滑らかに書けるとは思っていませんでした。
それでも
- 独特の書き心地
- 「ガリガリ」感がイヤだ
- 定規が使いにくい
- 紙に引っかかる
といった評判を目にします。
オレンズネロはペンを持つ角度によって書き心地が変わってきます。
できるだけペンを立てて書いたほうが書きやすく、寝かせると書きにくくなります。
ペンを持つ角度は人それぞれですので、オレンズネロが書き手を選んでしまう原因です。
この書き心地はどうしても使う人の好みになりますので、可能であれば試筆されることをおすすめします。
少なくとも私にとっては、ぜんぜん気にならないほどの書き心地でした。
シャープペンシルを20本以上持っていますが、決まって手をのばすのはオレンズネロです。
書き心地が悪ければ手を伸ばしません。
ボディバランス
オレンズネロのボディーは上部と下部で材質が違っており、キャップ側は樹脂、ペン先側は樹脂と金属の粉を混ぜた特殊素材の低重心設計となっています。
安定したボディバランスのため書いていて疲れません。
自動芯出し機構
一度自動芯出し機構のシャープペンを使ってしまうと、ふつうのシャープペンシルを使うのが面倒になります。

オレンズネロを使うまで、シャープペンのノックが面倒だと思ったことはありません。
今までは、芯が短くなれば無意識にノックをしていました。
ところが、オレンズネロを使い始めてからは、ふつうのシャープペンを使っていても芯がなくなるまで書き続けるようになってしまいました。
ガイドパイプが紙にあたる不快感で、ようやくオレンズネロでないことに気がついたりします。
自動芯出し機構を持つシャープペンでは
- S30
- オレンズAT
- 1ーKnock(100ショップ)
を持っており、私がこの中で書き心地が良いなと感じるのはオレンズネロです。
1ーKnockにいたっては、書こうとすると芯が引っ込んでしまうので、使い方に悩んでいます。

S30とオレンズATも悪くはないのですが、オレンズネロの書き心地には勝てません。
S20は4mmのガイドパイプを持つ製図用シャープペンですが、オートマティック機構のS30はガイドパイプが短く見通しの良さに欠けます。

オレンズATは0.5mmだけをラインナップしており、シャープペンシルの心臓部といわれるチャックがオレンズネロの金属に比べて樹脂製になっています。

この違いが書き心地に影響を与えているのでしょうか。
オレンズネロより柔らかな感じの書き心地になっています。

使い方
0.2mmと0.3mm、0.5mmで使い方が違います。
- 0.2mmは芯が出るまでノックを続け、芯が出たところでノックを押しながら芯をパイプに押し戻します。
- 0.3mmと0.5mmはパイプが収納されている状態で1回ノック。パイプが出てくるので、その状態で筆記を始めます。
どちらも芯が短くなると、筆記中にパイプが引っ込むようになるので、数回ノックをして芯を排出します。
芯が短い状態で筆記を続けると故障の原因になるようです。
キャップをはずすと消しゴムが現れます。
0.2mmにはクリーナーピンがついています。

0.3mmと0.5mmの変えの消しゴムはZ2-1Nは、他のオレンズシリーズ、ケリーやスマッシュ、グラフ1000など多くのぺんてるシャープペンシルに使うことができます。
シャープペンシルの消しゴムは使わないという人もいますが、せっかく便利な場所に付いているのに使わないのはもったいないです。
消しゴムは高い買い物でもないので、短くなったら換え消しゴムを使えばよい話です。

芯径の違い
0.5mm
一番書き心地が優れているのは0.5mmです。

ぺんてるのアインシュタインを換え芯にするのなら4Hから4Bまで14種類という豊富な硬度が使えます。
筆圧が強く、ガリガリと筆記する方に向いている芯径です。
アインやアインシュタインの0.5mmは40本入りですので、ランニングコストにも優れています。

0.3mm
オレンズネロでは私が一番使っている芯径が0.3mmです。

筆圧が強い私は0.5mmでも折ってしまうので、0.3mmシャープペンシルを使うと折れまくってしまいます。
オレンズネロは芯がガイドパイプに守まれていますので、0.3mmでも芯が折れることはありません。
A6以下の小さなノートを使う機会が多いので、小さな字も書きやすい0.3mmの太さが使いやすいのです。
せっかくオレンズ機構を使うのですから、普段使わない0.3mm以下の芯径を使いたくなるのが人情です。
0.3mmの換え芯では、ぺんてるのアインが25本入り、アインシュタインが15本入りになっています。
ランニングコストを考えるならアイン一択かな。
0.2mm
オレンズネロで初めて0.2mmという極細芯を体験しました。

本当に細い。
これだけ細くても筆圧が強くてもオレンズ機構の恩恵で折れることはありません。
しかし、筆圧をかけ過ぎるとガードパイプの中で芯が崩れていくのがわかります。
ただ、芯を折ってしまったときのような変なストレスはなく、逆に崩れる感覚が面白かったりします。
0.2mm、0.3mm、0.5mmの体積を計算してみました。
芯 径 | 体 積 |
0.2 | 1.885 |
0.3 | 4.241 |
0.5 | 11.781 |
0.2mmに比べると0.3mmの体積は2.25倍、0.5mmになると6.25倍の違いがあります。
0.2mmは使っていて面白い芯径なのですが、私には少し細すぎます。
シャープペンが書ける距離は、芯の体積はあまり関係なく芯の長さが60mmで約240m書けるそうです。対して鉛筆は50km書けるそうな。
替え芯
同じ芯径でもメーカーによって微妙に大きさが違うため、精密なオレンズネロは純正の替え芯を使わないと故障の原因になるという話が聞かれます。
他メーカーの替え芯は使ったことがないので検証はしておりませんが、今のところ純正の替え芯を使っていて故障はしておりません。
ご参考まで、ぺんてるのアインとアインシュタインを一覧にしてみました。
【ぺんてるアイン】

芯径 | 硬度 | 価格、本数 |
0.2 | 3種類 2B,B,HB | 220円,20本入 |
0.3 | 4種類 2B,B,HB,H | 220円,25本入 |
0.5 | 9種類 4B,3B,2B,B HB,H,2H 赤,青 | 220円,40本入 赤,青は20本入 |
【アインシュタイン】

芯径 | 硬度 | 価格、本数 |
0.2 | 3種類 2B,B,HB | 220円,20本入 |
0.3 | 5種類 2B,B,HB,H,2H | 220円,15本入 |
0.5 | 14種類 4B,3B,2B,B ソフトHB,HB ハードHB,F,H 2H,3H,4H 赤,青 | 220円,40本入 赤,青は20本入 |
アインシュタインでは0.3mmが15本入りとなっています。
お値段
オレンズネロは税込み3,300円です。
職場の人にシャープペンシルを3,000円で買ったと言ったら、非常に驚かれました。
あまりの驚きように、こちらがびっくりしたほどです。
万年筆をつかっていると、筆記具を購入する感覚が麻痺してくるのでしょうか。
3,000円くらいの筆記具なら、さほど高く感じなくなっているので、”このことが”ひどく印象に残っています。
そうなのです。
筆記具、特に100円ショップにも売っているシャープペンに3,000円を出すのはきっと高いのでしょう。
これだけの性能をもつオレンズネロ。
私には3,000円の値打ちはある製品だと思いますが、記事の冒頭では「☓BAD」とさせていただきました。
(まとめ)オレンズネロの魅力
オレンズネロはガイドパイプが収納できますので、シャツポケットに入れて持ち歩くこともできます。
また、ノックしなくとも芯がなくなるまで書き続けられ、0.2mmという細芯でも折れません。
芯がなくなりガイドパイプが紙にこすれたり、芯が折れてしまうと集中力がとぎれてしまいます。
集中力を持続できること。
これがオレンズネロ最大の魅力です。
私にとってオレンズネロは、メモ書きから考えをまとめるときまで幅広く使うことができるシャープペンです。

ところで、社会人でシャープペンシルを使う人は少ないのでしょうか。
私のまわりでは、仕事でシャープペンシルを愛用している方々を多くみます。
シャープペンシルは学生はもちろん、社会人になってからも使えるアイテムです。
オレンズネロは書き心地さえ納得できるのなら、最良の一本になるでしょう。
