【実務や試験に役立つ】電卓定数計算の使い方 入力を省いて計算を楽にする方法

電卓 電卓
定数計算

昨年は円安が続いていましたが、2024年は徐々に回復しています。
しかし、2月5日は3日ぶりに反落し1ドル148円でした。
ここに3つの商品があります。
Aは28ドル
Bは32ドル
Cは19ドル
です。
この相場で日本円に換算するといくらになるでしょうか。
と、定数(じょうすう)計算に話を持って行きます。

ところで「じょうすう」とかっこ書きにしたのは、長年私が「ていすう」と読んでいたからです。
「じょうすう」と読むことを知ったのは随分あとになってからのことです。
実際、シャープのホームページには「じょうすう」と書いてあります。
念のためカシオのyoutubeを見ると解説者が「ていすうけいさん」と言っていますね。
メーカーによって呼び方が違うのでしょうか。

話を戻します。

148 × 28 =
148 × 32 =
148 × 19 =

このような問題は定数計算を使うと便利です。

(数字は電卓の表示画面)

【カシオ】
148 × × 28= 4144
32 = 4736
19 = 2812

【シャープ】
148 × 28 = 4144
32 = 4736
19 = 2812

電卓が148という数字と演算キーを記憶しているので省略して計算できます。
問題なのはカシオとシャープで操作方法が違うことです。
下の表にカシオとシャープの違いを記載してみました。
(ここでは、電卓が記憶した数字を定数と記載しました。)

【カシオ】

操作
数値 + 定数
定数 + 数値
定数 数値
数値 - 定数定数 数値
数値 × 定数
定数 × 数値
定数 × × 数値
数値 ÷ 定数定数 ÷ ÷ 数値

【シャープ】

操作
数値 + 定数
定数 + 数値
数値 定数
数値 - 定数数値 定数
定数 × 数値
数値 × 定数
定数 × 数値
数値 ÷ 定数数値 ÷ 定数

メーカーによって操作が違うのはまぎらわしいです。
シャープからカシオに電卓を代えた方が、カシオは定数計算ができないのかと言われていたことがあります。
カシオでは演算キーを2度押しします。これが面倒だという人もいますし、シャープのように勝手に定数計算モードになってしまうのが嫌いだという人もいます。
定数計算の違いがカシオ派とシャープ派に分かれる大きな要因の一つになるのではないでしょうか。
さらにiPhoneの標準電卓はまた違っていますのでカンベンしてほしいです。(こちらは別の機会に紹介します。)

構成比の計算

定数計算を応用して構成比を計算してみます。

(数字 は電卓の表示)
カシオ(JF-120VB)
AC MC
28 32 19 ÷ 100 ÷ ÷
28 M+ 35.4430379746
32 M+ 40.5063291139
19 M+ 24.0506329113
それぞれ
35.4%
40.5%
24.1%
でした。
MR …合計すると
99.9999999998
当然100%になります。

シャープ(EL-G35)
CA
28 32 19 ÷ 100 ÷
28 M+ 35.4430379746
32 M+ 40.5063291139
19 M+ 24.0506329113
RM …合計すると
99.9999999998
同じく100%です。

(M+ MR RM の使い方はメモリー計算をご覧下さい。)

この計算では
① 28 32 19 ÷79 が表示。
÷ のすぐあとに が押下されているので、演算子 ÷ と現在表示されている 79 を電卓が記憶。

となって定数計算モードに入っています。

定数計算をつかわないと
28321979
79 をメモ

再度打ち直して
28 ÷ 79 0.35443037974
と計算しなければなりません。
カシオ、シャープとも合計した数字をそのまま分母にすることができますので、実務でも重宝します。定数計算を使わないと面倒ですよね。

複利計算

定数計算は複利計算にも使えます。
年複利0.3%で123万円を5年預けるといくらになるでしょう。
【カシオ】
まず、1.003の5乗を計算
1.003 × ×  1.0150902704

このように累乗の計算にも使えます。
2乗 × ×
3乗 × ×
4乗 × ×
5乗 × ×

続けて元金を乗じて答えが出ます。
× 123  124.856103259

もしくは
1.003 × × 123 = = = = = 124.856103259
でも同じです。

【シャープ】
1.003 ×  1.0150902704
× 123  124.856103259
もしくは
1.003 × 123 = = = = = 124.856103259

古代エジプトの数学問題

3700年前の古代エジプトの数学問題を定数計算で解いてみます。

七軒の家で、七匹ずつネコを飼っている。ネコは七匹ずつネズミをとる。ネズミはムギの穂を七本ずつ食べる。ムギの穂からは七ますずつのムギがとれる。これらの数を合わせるといくつになるか。

出典:リンド・パピルス
式は次のようになります\\ \\S=7^1+7^2+7^3+7^4+7^5

【カシオ】
MC 7 M+ × × M+ M+ M+ M+ MR 19,607

【シャープ】
CM 7 M+ × = M+ = M+ = M+ = M+ RM 19,607

考える人のマーク

等比数列の和

S=\left(\frac{1}{2}\right)+\left(\frac{1}{2}\right)^2+\left(\frac{1}{2}\right)^3+\left(\frac{1}{2}\right)^4+\left(\frac{1}{2}\right)^5・・・

上の式では、等比数列の和が1に限りなく近づいていきます。

カシオ
MC 1 ÷ 2 M+ × × M+ M+ M+ ・・・ MR

シャープ
CM 1 ÷ 2 M+ × M+ M+ M+ ・・・ RM

実務にも使える定数計算ですが、こうやって数と戯れるのも楽しいですね。

⇨【実務や試験に役立つ】電卓の使い方(目次)

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